子育てハガキ通信

バックナンバー

  • 8月号食品のミネラル不足。その原因は?
    8月号

    食品のミネラル不足。その原因は?

    栄養バランスが良さそうな市販のお弁当やお惣菜。でも、含まれるミネラルの値を測ってみると、多くの場合、国が定める基準に届いていないという結果が。どうしてこんなことが起こるのでしょう?

    現代食のミネラル不足には、いくつかの理由が考えられます。1つめは、「水煮食品が増えていること」。たとえば、にんじん、ごぼうなどの入った野菜の水煮パックの場合、野菜を水で煮て、何度も洗い、パックに詰めるという加工の過程で、野菜に本来含まれているミネラルが流れ出てしまっています。こうした水煮食品は手軽で安価なので、市販のお弁当や惣菜、レストランや給食などでもよく使われています。また、生の野菜をカットして販売している「カット野菜」の場合も、ミネラルは3割、ビタミンC7割減ってしまっています。

    2つめは「精製しすぎた食品」。白砂糖、精製塩、精製された油などは、製造の過程で食品に含まれているミネラルまで取り除かれてしまっています。

    さらに、添加物の問題もあります。「リン酸塩」は加工食品の「プリッ、ふわふわ、とろとろ」の食感を出すためによく使われていますが、腸でミネラルを抱えて外に一緒に出してしまう作用があるので注意しましょう。

    《今月のミネラルレシピ》

    豆サラダ  ←クリック

    現代食に不足しがちなミネラルも含み、良質なたんぱく源として活用したいお豆。 彩りもたのしい豆のサラダをご紹介しましょう。

     

    食学ミネラルアドバイザー 国光美佳

  • 7月号現代食はミネラル不足⁉
    7月号

    現代食はミネラル不足⁉

    ミネラルは私たちの健康に大切な栄養素。でも、「現代の食生活では、ちゃんと食べているつもりでも必要なミネラルが不足しているおそれがある」と聞いたら、「え?」「どうして?」と心配になりますよね。
    現代食というと、どのような食事を思い浮かべるでしょうか? たとえば、コンビニ弁当やレトルト食品、冷凍食品、お惣菜など、「早くて便利で簡単!」が定番の加工食品。これらの加工食品の中にミネラルがどのくらい含まれているかを実際に測ってみたところ、国が定める食事摂取基準に届いていないものが多いことがわかりました。
    栄養バランス良く思える幕の内弁当が1食で取りたいミネラル量を満たしていなかったり、彩りのよいお惣菜もカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが大幅に不足していたり。現在、120品目ほどの調査が進んでいますが、ほとんどの加工食品にミネラル不足が起きているという結果が出ています。

    肉や魚、野菜などがバランス入っているのに、なぜミネラルの含有量が少なくなっているのでしょうか?そのカギを握る食品加工の問題について、次回お話しましょう。

    《今月のミネラルレシピ》

    いわしのトマト蒸し  ←クリック

    ミネラルと一緒に摂りたいのが良質なオイル。とくに青魚の油は、脳の血流アップや炎症を抑える良質なオイルです。ミネラルたっぷりのいわしを丸ごとトマトや玉ねぎと一緒に蒸し焼きにすると、 いわしから出る良質な油を野菜が吸収して、うま味もアップ!

     

    食学ミネラルアドバイザー 国光美佳

  • 6月号体と心を整えるミネラルのはたらき
    6月号

    体と心を整えるミネラルのはたらき

    私たちの生命活動に欠かせない「ミネラル」。ミネラルは、骨格をつくったり、血管を丈夫にしたり、発育を支えるなど実にさまざまなはたらきをしていますが、中でも特に重要なのが「酵素を活性化する」という役割です。
    私たちの体内には「酵素」というものがあり、食べたものを消化する、それを代謝させて体内ではたらかせるなど、生命活動に深くかかわる働きを担っています。体の中では、まるで歯車がかみ合うかのようにさまざまな代謝が起きています。この歯車を円滑にまわしていくのが「酵素」、そして「酵素」がはたらくために「補因子」として必要になるのがミネラルなのです。

    食事からミネラルをとると、酵素が活性化して、代謝がうまく回るようになり、心も体も整います。ミネラル不足で起こる症状として、カルシウム不足で神経過敏、マグネシウム不足でうつ症状など。ミネラルと精神の関係は、栄養学の専門書でも明記されています。

    《今月のミネラルレシピ》

    ミネラル味噌スープ  ←クリック

    生命活動を支えるミネラルですが、どうしたら簡単に、日常的に摂れるようにできるかを考えてできたレシピです。特に育児に追われるお母さん、お父さんに飲んで欲しい!そう願い、とてもシンプルでミネラル豊富なスープになりました。

     

    食学ミネラルアドバイザー 国光美佳

  • 5月号ミネラルってなあに?どうして大切?
    5月号

    ミネラルってなあに?どうして大切?

     「疲れやすい」「イライラしやすい」「めまいを起こす」「寝起きが悪い」「足がつる」……このようなことはありませんか? ミネラルは全身の生命活動にかかわるので、不足するとさまざまな不調につながります。
    たとえば「めまい」「立ちくらみ」「肩こり」「頭痛」「抜け毛」「集中力の低下」「イライラ」は、どのミネラルの不足で起こるでしょう?これらは「鉄」不足のときに出やすい症状です。「鉄」はあさりやしじみなどの貝類や、赤身肉、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。鉄は酢やかんきつ類などビタミンCを含む食材と一緒にとると吸収しやすくなります。
    「足がつる」「まぶたがピクピクする」「疲れやすい」「眠りが浅い」などは、マグネシウム不足が疑われます。マグネシウムは、筋肉の弛緩にかかわり、たくさんの酵素のはたらきにも影響します。海苔や蕎麦、ナッツ類、豆腐、納豆などに含まれます。
    健康な食生活のキーワードとしても知られる「ま・ご・わ・や・さ・し・い」の食材(ま=豆類、ご=ごま、わ=わかめなどの海藻、や=野菜、さ=小魚など魚介類、し=しいたけなどのきのこ類、い=芋類)は、さまざまなミネラルを含む食材としておすすめです。

    《今月のミネラルレシピ》

    にんじんと煮干しの炒めもの  ←クリック

    骨ごとまるごと食べられる小魚は、カルシウムはじめいろいろなミネラルの摂取のためにぜひ食卓に頻繁にのせてほしいものです。カリウムやカロテンなどが豊富なにんじんといわしの煮干しの炒めものは、子どもにも食べやすいひと品です。

     

    食学ミネラルアドバイザー 国光美佳

     

  • 4月号えっ?食べものと心はつながっている?!
    4月号

    えっ?食べものと心はつながっている?!

     「まさか食べもので?」「子どもがキレなくなりました」「子どもだけでなく、私のイライラも減ってきました」……これは、いつもの食事を少しだけ「ミネラルアップ」してみたご家庭から届いた驚きの声です。

     ミネラルって、いったい何でしょう?ミネラル(無機質)とは、おなじみのカルシウムや鉄をはじめ、亜鉛、銅、マグネシウム、カリウムなど100種類以上の元素の総称。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンに並ぶ、五大栄養素のひとつです。
    このミネラル、体の中でわずか約5%と含有量は少ないのですが、私たちの健康を左右するとても大切な栄養素です。骨を強くするにはカルシウム、貧血予防には鉄、味覚障害には亜鉛などはよく知られていますが、体を作ったり調子を整えたりするだけなく、イライラを和らげるなど心の状態にも深くかかわり、体と心の「司令塔」のようなはたらきをしていることがわかっています。
    なぜ、ミネラルが心にも影響するのでしょう?どのような食材に含まれているのでしょう?幼い子どもが食べやすい方法は?これから1年間、家族みんなの元気を支えるミネラルのお話、おすすめミネラルレシピなどをお届けしていきます。

    《今月のミネラルレシピ》

    基本のミネラルふりかけ  ←クリック

    子どもに人気の「ミネラルふりかけ」。お酢を加えるのは、ミネラルの吸収をよくするため。ご飯にかけたり、混ぜておむすびにしたりスープや麺類のトッピングにも活用できます。

     

    食学ミネラルアドバイザー 国光美佳

  • 12月号知っていますか?「STマークとSGマーク」
    12月号

    知っていますか?「STマークとSGマーク」

    幼い子どもがいろいろな物をなめたり口に入れたりするのは、「最も感覚が発達している口を使って、物の形や感触を確認しているから」と言われています。多くの物に触れることは子どもの成長過程にとって大切ですが、それは危険と隣り合わせでもあります。

     特に、小さな部品が使われているおもちゃは、子どもが部品を飲み込む誤飲事故が多く発生しています。おもちゃの購入や使用時には、必ずおもちゃの対象年齢を確認しましょう。

     子どもが使用する製品には安全基準が設けられています。

     「STマーク」(エスティーマーク、Safety Toyの略)は一般社団法人日本玩具協会が14歳以下用の玩具に対して、玩具安全基準に適合している製品に表示しています。部品が外れにくい、のどに詰まらない大きさなど、安全性を配慮した設計がされています。

     「SGマーク」(エスジーマーク、Safe Goodsの略)は一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準に適合していることを示していて、ベビーカーや子ども用ベッド、抱っこひも、すべり台などが対象製品となっています。製品選びの際の参考にしてください。

     

    西武文理大学 茂手木明美

  • 11月号子ども目線でチェックして「やけど」を防ごう
    11月号

    子ども目線でチェックして「やけど」を防ごう

     おうちの中には、やけどの危険があるものがあちこちにあります。子どもの目線になって部屋の中を確認してみましょう。大人はちょっと不便でも、子どもの安全を最優先にした部屋作りを工夫しましょう。

    ●お湯の入ったポットや電気ケトルはコードを引っ張ることで倒れ、熱湯がかかることがあります。コードが子どもの手の届かない高さか確認しましょう。

    ●炊飯器は、ごはんが炊けるときの蒸気に子どもが手を伸ばしてやけどをするケースが多く見られます。置き場所に気をつけましょう。

    ●テーブルクロスやランチョンマットは、子どもが引っ張って、上に置いた熱いお茶、みそ汁、ラーメンなどがこぼれてしまうおそれがあるので、使わないようにしましょう。

    ●床に置くタイプのストーブやヒーターは必ず安全柵で周囲を囲み、子どもの手が届かない工夫をしてください。

    ●電気カーペットや床暖房は、長時間同じ姿勢でいると、子どもの薄い皮膚はダメージが起きやすく低温やけどのリスクがあります。長時間の使用は避けましょう。加湿器も加熱式タイプは熱くなり危険です。

    ●アイロン、ドライヤー、ヘアアイロンなどは使ったら、すぐに片づける習慣をつけましょう。

     

    西武文理大学 茂手木明美

  • 10月号「外出時」のヒヤリハットに注意
    10月号

    「外出時」のヒヤリハットに注意

     子どもはママやパパとのお出かけが大好き!でも、子ども連れでのお出かけには「ドキッ」「ヒヤッ」とする場面も少なくありません。

     子連れ外出で危険な場所はたくさんありますが、その中でも注意したい場所NO.1と言えるのは「駐車場」です。チャイルドシートから降ろすと、子どもは解放感から走り出します。車が死角となって小さな子どもはドライバーから見えにくいため、大きな事故につながるおそれもあります。

     スーパーや大型商業施設など日常的に訪れる場所では、大人の気もゆるみがちになります。店舗内では人やカートとの衝突事故にも気をつける、迷子防止だけでなく連れ去りのリスクを防ぐためにも子どもから目を離さない、一人でトイレに行かせないなども心がけましょう。

     事故を防ぐには、幼いころからの習慣づけがとても大事です。「外出先では必ず手をつなぐ」を当たり前の「習慣」にしておけば、その分だけリスクは減らせます。もし、子どもが手を振り払って走り出そうとしたときは、まず行動を止めて、その上で「危ない」ということを言葉や態度で繰り返し伝えます。子ども自身が「何が危険か」を判断できるようになるまで、根気よく言い聞かせていきましょう。

     

    西武文理大学 茂手木明美

  • 9月号楽しい「外遊び」のための安全対策
    9月号

    楽しい「外遊び」のための安全対策

     子どもの成長に伴って、外で遊ぶ機会も増えていきますね。2歳ごろになると子どもの動きも活発になり、時にハラハラするような遊びをすることもあります。

     子どもの外遊びの事故で最も多いものは、すべり台やブランコ、ジャングルジムなどの遊具での事故です。遊具は正しい使用方法で遊ぶことが事故を防ぐ原則ですが、「すべり台を反対側から登り、すべってきたお友達と衝突する」といった事故は多く起こっています。子どもは遊びの中で別の遊び方を発見し、危険と思わずそれを試したがるものなので、大人の見守りは欠かせません。遊びながらふざけたりはしゃいだりして事故が起こる場合もあるので、6歳以下では大人がそばで見守りながら遊ばせるようにしましょう。

     かばんや水筒のひも、パーカーのフードなどが遊具に絡まる事故もあります。遊具で遊ぶときは危険につながるものを身に付けていないか確認しましょう。

     外遊びの道具としては、キックスケーター、キックバイクなどの車輪付き乗り物も人気がありますが、ヘルメットの装着に加えて、正しい使い方を子どもに十分に伝える、危険の少ない場所を選ぶ、大人が付き添うなど、安全に遊ぶための配慮をしっかり行いましょう。

     

    西武文理大学 茂手木明美

     

  • 8月号転ぶと危険!「のど突き事故」
    8月号

    転ぶと危険!「のど突き事故」

     子どもが口に何かをくわえたまま転倒しケガをする「のど突き事故」。あまり知られていませんが、1〜6歳ごろに多く発生しています。

     のど突き事故の原因として、最も多いものは「歯ブラシ」です。歯みがきをしながら歩き回るという行為は私たち大人も無意識にやりがちですが、子どもは大人に比べてとても転びやすいので、特に注意が必要です。歯ブラシをくわえたまま転倒して口腔内やのどにケガをした、場合によってはのどの奥に刺さった歯ブラシが脳まで達するような重篤な事故につながるケースもあります。歯みがきをしながら歩くことがないよう、子どもが小さなころから家族みんなで習慣づけしていきましょう。

     歯ブラシ以外では、箸、フォーク、スプーンなどでも同じような事故が起きています。箸やフォークなどを口に入れたまま、食卓から離れて歩いたり、遊んだりすることのないよう、気をつけましょう。

     また、アメリカンドッグ、焼き鳥、アイス、綿あめなど、棒のついた食品も同様です。食べ歩きしたくなるものばかりですが、食べながら転ぶと生命にかかわる事故につながるおそれも。お祭りなどの際にも、「必ず座ってゆっくり食べる」をお約束にしたいですね。

    西武文理大学 茂手木明美

  • 7月号知っておきたい「誤飲・誤嚥」のリスク
    7月号

    知っておきたい「誤飲・誤嚥」のリスク

    「誤飲」とは、口にいれてはいけないものを誤って飲み込んでしまうこと。「誤嚥」とは、食べ物などが気管、気道に入ってしまうこと。どちらも子どもに起きやすく、生命にかかわることがあります。

    【誤飲】タバコ、硬貨、ボタン電池、洗剤、医薬品、化粧品、石油製品(灯油など)、おもちゃの部品など、生活の中にあるすべてのものが原因と成り得ます。

    誤飲事故が多いのは何でも口に入れてしまう生後半年~1歳頃ですが、大人の使っているものに興味を持ち真似をしたがる23歳の頃は、マニキュアの除光液や吸い殻を入れたペットボトルによる誤飲事故なども起こっています。子どもの手が届く場所に危険なものを置いていないか、常に目配りが必要です。

    【誤嚥】誤嚥しやすい食品としては丸くてつるんとしているもの(白玉だんご、うずら卵、プチトマト、ぶどう、アメ玉など)、かみ砕きにくいもの(ピーナツ、豆類、グミ、こんにゃくゼリーなど)などがあげられますが、それ以外の食品(パンなど)でも、丸のみすれば窒息のリスクがあります。

    また、遊んだり歩いたり寝転んだりしながら食べるのも誤嚥事故につながるNG行為。「食べる時は座って」を習慣づけましょう。

    西武文理大学 茂手木明美

  • 6月号気をつけよう!「水の事故」
    6月号

    気をつけよう!「水の事故」

     毎年、暑くなってくると海や川、プールなどでの水の事故に関するニュースが聞こえてきます。水とふれあうのは楽しい経験になりますが、同時にそこには事故のリスクもあります。特に、旅行やおでかけ先では大人も子どもも開放的な気分になるため、注意が必要です。

    水辺での子どもの行動は一瞬たりとも気を抜くことができません。子どもだけで水に入ることは避け、必ず大人がそばで見守るようにしましょう。特に、川は大人でも危険の予測が難しく、浅瀬で遊んでいたはずが、状況が一変して数秒で流されてしまう……といったケースも起こります。水遊びの際には安全面を考え、キッズ用ライフジャケットの着用をおすすめします。ちなみに小型船舶乗船時には桜マークのついたライフジャケット(国土交通省が定めた安全基準に沿ったもの)の着用が義務化されています。乗船時に限らず、海水浴や川遊び、釣りなど水辺のレジャーの際には、子どもの生命を守るための事前準備をしっかりと行いましょう。

    プールは「足がつけば大丈夫」と思いがちですが、子どもは浅い水深でも溺れることがあるので、大人が近い場所にいることを心がけましょう。

    西武文理大学 茂手木明美

  • 5月号「転落」のリスクから子どもを守ろう
    5月号

    「転落」のリスクから子どもを守ろう

    子どもがどこかから落ちてしまう「転落」は、日常的に発生しやすい事故の一つです。ちょっとした小さな段差から生命にかかわるような高所まで、生活のさまざまな場面に思わぬ危険があります。

    ソファやベッドは日常的に転落が起きる場所です。子どもは日々発達していて、昨日できなかったことが今日できるようになるもの。「うちの子はまだ寝返りができないから大丈夫」ではなく、「今日、寝返りができるようになるかもしれない」という意識を持つことが事故を防ぎます。子どもをソファに寝かせたときはそばを離れない、ベビーベッドから一瞬でも離れる際は必ず柵を上げる、大人用ベッドはベッドガードを購入するなどの対策を取りましょう。

    階段やベランダも、好奇心いっぱいの子どもにとって魅力的な場所です。階段で遊ばせない、ベランダには子どもが登れるようなものを置かないなどの対策と同時に、「危ないね」など乳幼児期から繰り返し伝えて、子どもが少しずつ理解できるよう声をかけていきましょう。

    また、スリングやベビーカー、ショッピングカートにも転落の危険はあります。必ず正しい使用法を知ること、守ることで事故防止を心がけましょう。

    西武文理大学 茂手木明美

  • 4月号子どもの育ちには危険がいっぱい
    4月号

    子どもの育ちには危険がいっぱい

    乳幼児期の子どもはとにかく好奇心が旺盛。身の回りのすべてのことに関心を示します。それは子どもが大人になっていく過程において、知識や経験を得て豊かに成長していくためにとても大切なことです。

    でも、子どもはまだ「何が危険か」が分かりません。「これをやったらどうなるか」と予測する力も未熟です。自分の身を自分で守れない子どもに代わって子どもを危険から守るのは、私たち大人の役目であると言えます。

    寝返り、おすわり、ハイハイ、ひとり歩き、階段の昇り降り、走る、自転車に乗る……赤ちゃんから幼児期にかけては、発達とともに「できること」がどんどん増えます。それとともに起こりやすい事故も変わります。それぞれの子どもの興味や性格によっても気を付けるポイントは異なります。

    子どもの予期せぬ事故を防ぐのは簡単なことではありません。でも、周囲の大人が子どものことをよく知り、生活の中にあるさまざまな危険について学ぶことで、子どもが事故にあうリスクを減らすことはできます。

    子どもの興味や好奇心を健やかに育みつつ、子ども自身の危険を避ける力もも育てていくという視点も持ちながら、子どもの事故とその予防について一緒に学んでいきましょう。

    西武文理大学 茂手木明美

  • 3月号「まっ、いいか」のゆとりも大切に
    3月号

    「まっ、いいか」のゆとりも大切に

    実際にお片づけを始めてみると、子どもがやらなかったり、うまくいかないことがたくさんあるでしょう。そんなとき、「何度言ったらわかるの!」など感情にまかせて叱っても、子どもはやる気をなくすだけ。

    うまくいかないときは、まず心を落ち着けて事実を確認し、その上で子どもをフォローしてあげましょう。「タオルが落ちてるよ。洗濯カゴに入れてきてね」「洗面所の蛇口がしまってなかった。お水がもったいないからしめよう」のように、子どもにしてほしいことを具体的に伝えます。幼い子どもほどやったつもりになっているので、気がつかなかったことを教えてあげるのです。あとからではなく、「その時、その場で言う」が大事です。

    子どもに声をかけてやらせるより、親がやってしまった方が早い? でも、手を貸すのはできるだけガマン。少しだけ距離をとって、見守ってあげてください。そして励ましという力を貸してあげてくださいね。

    頑張っても目に見える成果がないと、親はがっかりして疲れます。でも、成果は出ていないように見えても、行きつ戻りつしながらも子どもは伸びていきます。子育てには「まっ、いいか」のゆとりも大切。完璧を目指さずに、根気よく続けていきましょう。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

  • 2月号「お片づけって楽しい」という体験をたっぷりと
    2月号

    「お片づけって楽しい」という体験をたっぷりと

    幼児期はすべてのことが遊び感覚で楽しめてしまう時期。親もいっしょに片づけながら、スッキリした心地よさや楽しさを体験させて、お片づけのクセをつけていきましょう。

    たとえば、お片づけタイムになったら、子どもの好きな曲を流して「この曲が終わるまでに、おもちゃ箱に入れちゃおう」「競争だよ。よーい、どん!」。こんな小さな工夫をプラスするだけで、お片づけがめんどうなものから楽しい時間になります。

    そして、子どもがお片づけをしたら、できたことをことばにしてほめてあげましょう。「いい子だね」のような漠然とした言い方ではなく、「○○できたね」と具体的な事実を言うことが大事です。ミニカーをおもちゃ箱にしまえたら「ミニカー、きれいに片づけたね」、お菓子の袋をゴミ箱に捨てたら「テーブルの上がスッキリしたわ」と、できたことを具体的にほめるのがポイントです。小さなことでも認めてもらえれば、達成感を感じてやる気につながります。

    また、子どもは親に喜んでもらうのが好きなので、「コップを流しに持っていってくれたのね。助かるわ」「靴をそろえてくれてありがとう」「スッキリしたね。うれしい!」と、ねぎらいや感謝の気持ちを伝えるのもおすすめです。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

  • 1月号「子どもがしまいたくなる収納」を工夫してみる
    1月号

    「子どもがしまいたくなる収納」を工夫してみる

    モノをしまう場所がすぐにわかれば、元に戻しやすいものです。子どもがしまいたくなる収納アイデアについて考えてみましょう。

     

    ・収納場所にイラストやシールを貼る…パッと見てわかるので、子どもでも迷うことなく、楽しくモノをしまえます。5歳のEくんは、ポケモンのカードやグッズを入れる引き出しにポケモンのシールを貼ってもらったら、自分で引き出しにしまうようになったそうです。

    ・「片付いて収まっている完璧な状態の写真」を貼っておく…パッと見るだけで何をどうしたらいいのかわかるので、しまい方にブレがなくなり、元の位置に戻すクセがついてきます。

    ・中身が見えるケースを活用…おもちゃは半透明のケースにしまうと、いちいち開けてみなくても便利。なくしてはいけない細かい部品や大事にしておきたいモノは、中身の見えるファスナー付きプラスチック袋がピッタリです。

    ・リビングには子ども専用の「とりあえず箱」を置く…散らかっているものはとりあえずここへと決めておけば、子どもの手でもあっという間にスッキリ。急な来客も安心です。

     

    「出しっぱなしにしていると、捨てちゃうよ!」という脅しことばよりも、楽しく片づけられる工夫を親子で考えてみましょう。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

  • 12月号お片づけ力を高める「分類」のトレーニング
    12月号

    お片づけ力を高める「分類」のトレーニング

    「頭の中と引き出しの中とは同じ」という話を聞き、ドキッとしたことがあります。情報を整理して頭の中にしまう能力と、雑多なモノを片づける能力には相関関係があります。どちらも整理整頓する「分類」の能力が必要だからです。

    お片づけ力をアップするために、分類のトレーニングをしてみましょう。子どもにとって、分類とは「仲間探し」。子どもの好きなモノやおもちゃを集めて、子どもといっしょに遊び感覚で仲間探してみましょう。カードはカードでまとめて輪ゴムで止め、宝石発掘でとった石は小箱の中に、プラレールはカゴの中へ「仲間ごと」に分けます。

    分類のトレーニングは日々の生活の中でもできます。たとえば資源ごみの分別です。ビン、アルミ缶、ペットボトルを「このカゴには何を入れるのかな?」と聞いて、子どもに分類させてみましょう。

    取り込んだ洗濯物を「同じものを一緒にしてみようね」と口添えして、下着、上着、くつ下、タオルに分けてもらうのもいいですね。もちろん、着る人ごとに分ける分類でもOK。家族の名前やマークを貼ったカゴを人数分用意して、しまってもらえばお手伝いになります。「助かった!」「ありがとう」の一言が継続のカギですよ。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

  • 11月号お片づけ名人への道は3ステップ
    11月号

    お片づけ名人への道は3ステップ

    片づけとは、ものをあるべきところに戻すこと。とてもシンプルです。ただ、それが習慣になるのは、そう簡単なことではありません。お片づけが一人できるようになるまでの「お片づけ名人への3ステップ」をご紹介しましょう。食べた後の片づけ、おもちゃの片づけなど、毎日繰り返し行うことがいいでしょう。

    ステップ1 親がやり、子どもはそばで片づけ方を見ている

    子どもの「できない」は、「やり方がわからない」という場合も。まず、親が「こういうふうにやるのよ」とお手本を見せましょう。

    ステップ2 親がリードしながら、親子でいっしょに片づける

    「使ったコップはここに置こう」「ぬいぐるみのおうちはどこだっけ?」。親子でいっしょに片づけながら、片づけの楽しさや気持ちよさを体験しましょう。

    ステップ3 子どもが片づけるのを、親は見守る。

    ここでの親の役目は、子どもが自分でやりとげるのを見守りながら待つこと。手や口を出したくなっても、ぐっとガマンです。

    大事なことは「子どもの様子をよく見て、その子のペースに合わせる」ということ。もし、うまくできなければ、一つ前の段階に戻りましょう。成果を出そうと気負わずに、子どもに合わせてゆっくりと進めてくださいね。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

  • 10月号片づけクセがつく「やったね!スタンプ」
    10月号

    片づけクセがつく「やったね!スタンプ」

    お片づけ力をつけるには、苦手意識を植え付けないことです。大人もそうですが、いきなり難易度の高いことを求めるとやる気がなくなります。子どもが「かんたん!」と思えることを、少しずつさせてみましょう。

    片づけクセをつけるために「やったね!スタンプ」のワークをご紹介します。

    • 子どもと話し合って、子どもが一番取り組みやすく、きっとやりそうなことを1つ選んで決めます。(例えば、夕方になったら遊んでいたものをおもちゃ箱にしまう、など)
    • できたら親がチェックして、カードにスタンプを押します。「やったね!」ということばと笑顔でほめてあげましょう。最後までやって、「やった!」「できた!」という喜びを感じることが大事です。
    • 「スタンプが30個たまったら、子どもが行きたい場所に連れて行ってあげる」など、ごほうびがあるとモチベーションがあがります。

    このワークをするときのポイントは、あれもこれもと欲張らないこと。小さな成功体験を積んで、子どもに「自分だって片づけられる!」という自信をつけてあげることが目的です。スッキリした気持ちよさを味わいながら、少しずつお片づけできるエリアを広げていきましょう。

    NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか

ページ先頭へ