「なんでも言うことを聞く素直な子」を目標にした子育ては、そのうち行き詰ってしまいます。子どもの「ダダこね」には成長的な意味があるからです。たとえば子どもは、イヤ!という表現を通して、集団参加に耐えられる自己表現力を身につけていきます。また、自立に向かう不安を、ダダこねによって吐き出し、心の安定を取り戻そうとします。さらに、度の過ぎたダダこねを親に止められる中で、気持ちの自己コントロールを覚えていきます。

 ダダこねへの対処は、まず、子どもの心の中の葛藤を知ること。口ではダダをこねる子どもも、本当はどう行動すべきか、意外にわかっているもの。「ちゃんと行動したい」という気持ちと「ヤダヤダ言いたい」という気持ち、正反対の二つの気持ちが心の中で戦っているのです。

 ですからポイントは、自己主張やストレス発散としてのヤダヤダを認めつつも、お兄さん(お姉さん)らしい行動を後押ししていくこと。つまり、「ヤダヤダ言いながらでいいから、頑張ろうね」「泣きながらでいいから、我慢しようね」という接し方がベストなのです。ぜひ、チャレンジしてみてください。

子育てカウンセラー 萩原 光