子どもはまだ自分の気持ちを言葉で表現できません。言葉のかわりに、気持ちを「体」で表現します。「イヤイヤ」といいながら、ママをぶったり蹴ったり、物を投げたり、壊したりすることもありますが、子どもは本当はお母さんをぶちたいわけでも、物を壊したいわけでもありません。ただ、どうにもならない気持ちを抱えきれないだけです。こんなときは、そのモヤモヤのエネルギーをお母さんの腕の中で思い切り放電させてあげましょう。

ぶったり蹴ったり、体ごとぶつけてくる場合は、子どもを加害者にしないように子どもの手を握ってぶつのを止めさせたり、体ごと抱きとめたりしてママが嫌だと思うことはさせないで、心の中のモヤモヤをママの体になすりつけるようにして発散してもらいましょう。そして行動はしっかり止め、「くやしかったね」「残念だね」「ほしかったね」などと気持ちには共感してあげましょう。

コツは、言葉だけでわからせようと説得するのではなく、葛藤して身もだえしている体を丸ごと受け止めてやることです。モヤモヤのエネルギーをママの体になすりつけて放電されると、ママの共感に「うん」と言えるようになり、落ち着きます。

日本抱っこ法協会 公認ホルダー 阿部優美