ヒトは生まれたあとに発達します。今のお子さんの状態が、大人になったときの状態と同じということは絶対にありません。環境、特に家庭生活からの「繰り返しの刺激」が脳を育て、できることを増やしていきます。
発達は必ず前に進むのですが、その速度は子どもによって異なります。ですから、発達中の子どもを育てるときには「ほかの子どもと比べない」ということがとても大切です。その代わり、自分の子どもを観察して、「以前」の姿と比べることをおすすめします。
生まれた時には寝っ転がるだけだった子が、今は立って歩いて走っている。泣くことしかできなかった子が、今は怒ったり笑ったりしている。子育てで大事なのは、こうやって我が子が発達していること、そしてこれからも必ず発達していく、という事実を親が「確信し続ける」ことです。その親の態度が子どもの安心のもとになり、さらに良い発達を促すからです。
世にあふれかえる情報に惑わされず、自分の子どもの発達を信じ続けるのはとても難しいことですが、「正しい脳の育て方」を知ることはその役に立つと私は信じています。この子育てハガキで、正しくお伝えしていきたいと思います。