前のハガキで、ちょっと危ないことや困ることも「どうしたらやめさせられるか」より「どうしたらさせてあげられるか」考え、工夫して、子どもの「〜したい」という気持ち(意欲や好奇心)をできるだけ満たしてあげよう、と書きました。ですが、もちろん「絶対ダメなこと」はあります。
車道に飛び出す、人を嚙むなどの行動は、しゃがんで目線を合わせ、いつもとは違う低い声でゆっくり短く、してはいけないことを本気モードで伝えましょう。言葉の意味がよくわからなくても、大人の真剣さは雰囲気で伝わります。
暴力や、店の商品を取ったり傷つけたりするといった社会のルールに反することなども、理屈抜きで「ダメなものはダメ」。子どもはまだそのルールを知らないのですから、怒るのではなく「教える」気持ちで抱え込んで止めましょう。気持ちと行動を分けて、怒りや好奇心から思わずやってしまった気持ちはしっかり聞いて受け止め、行動だけを制限するのがコツです。
発達段階として沸きあがる衝動を抑えることができない子どもに、親が「言うことを聞かせなければ」と焦ると、親も子も「思い通りにならない相手」に苛立って、つらい状況になってしまいます。次回は、そんなときの対処法を考えます。