意欲や好奇心に満ちあふれた幼い子にとって目に入るものすべてが新鮮で、興味を持ったら試さないではいられません。発達段階としてまだ欲求を理性で制御できないので、危険もルールや時間もお構いなし。しつけは、そういう子どもが「思い通りにできる範囲の境界線」を教えること。いわば「牧場の柵」をつくる作業です。子どもは何度も柵にぶつかって、そこに柵があることを覚えます。
おもちゃ屋さんの前でキャラクターものを欲しがって動かない…そんな時、「いっぱいあるでしょ!」っていきなり怒るんじゃなくて、「お家にあるのとどこが違うの?」などとそれが欲しい気持ちにいったん乗って、「今日は買わない約束だけど、お誕生日には買えるよ。忘れないように写真に撮っておこう」なんて提案してもいい。誕生日に、撮りためた写真を見ながらどれかを選ぶのも楽しいもの。
気持ちの受け止めをしても動かない時は、笑顔で強制終了(泣いても抱き上げて移動する)もアリ。あきらめて泣きやんだところで、「すごくほしかったのに、がまんできてえらかったね」などと泣きながらでもがまんしたことをほめます。「がまんできた」という経験が、感情をコントロールする力を育てます。