子ども同士のトラブルで、わが子が他の子を傷つけてしまったら親が謝りましょう。子どもに形式的な謝罪をさせてはいけません。脳機能の発達段階としてまだ相手の気持ちを想像できない子どもの中では、常に「ボクの邪魔をした」「ワタシに使わせてくれない」相手が悪いと感じているのです。
相手が泣いたりしたその瞬間には「しまった!」といった感情がわき上がるけれど、そこで「あなたが悪い。謝りなさい」と言われたら、自分の気持ちを無視された悔しさでいっぱいになって、「しまった」という気持ちなんかぶっ飛んでしまいます。
実は大人だって、たとえば夫と家事分担について話しているうちに激しいバトルになってしまったところに実母が来て、「あなたが謝るべき」と言われたらどんな気持ち?夫がわかろうとしないからこうなったのに…。納得できないまま表面的に謝ったら、わかってもらえなかった悔しい気持ちがくすぶったまま残って、またささいなことで怒りが爆発します。
子どもは親が謝る姿を見て、「〜が、イヤだったんだね」などと受容され気持ちを分かってもらう経験を重ねてこそ、いずれ「相手もイヤだったんだ」と気づき、非を認めて自発的に謝るという「真の謝罪」ができる日がくるのです。急がば回れ!