ある人は、小さいころ親から「片づけなさい! どうしてあなたはこんな簡単なことができないの?」と言われ続けているうちに、「片づけ=私にはできないこと」とインプットされてしまったとか。親の叱責を無視しておけば、親は文句を言いながらもきれいに片づけてくれることに気づいてからは、ますます自分から片づけようなんて思わなくなったそうです。

「まったく、もう!」と言いながら、結局はやってあげていませんか? 「捨てちゃうよ!」と言いながら、もったいなくて捨てられずに親が片づけていませんか? こういう叱り方は小さいうちは多少効き目があっても、小学生くらいになれば子どもは親の本気を見抜きます。親はしつけのつもりでも、実は日頃のうっぷんをただ吐き出しているだけ。子どものお片づけ力を育てるには逆効果です。

子どもにかけるあなたの「ことば」を振り返ってみましょう。「また、散らかしている!」「何度言ったらわかるの」というような文句ではなく、「棚に置いてきて」「靴下はカゴの中にいれること」と具体的に伝えたり、「もうすぐ夕飯だから、テーブルの上をかたづけてね」とタイミングを知らせましょう。「子どもの行動を促すことばかけ」、考えてみませんか?

NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか