米国人の友人が我が家に遊びに来たときのこと。子どもがお風呂から出てきて、タオルをリビングに置きっぱなしにしました。私が「カゴに入れなさい!」と言っても子どもは知らんぷり。「まったく」と言いながら私が片づけているのを見て、友人から「なぜ子どもがやることを、あなたがしてしまうの?」と聞かれました。「自分のことは自分で」と言いながらも、見かねて手を出してしまっていたことに、ハッとしたものです。

私が子育て時代を過ごした米国では、「自分のことは自分でしようね」ということを3歳くらいからおだやかに伝えていました。飲んだコップをキッチンに運ぶ、遊んだおもちゃを元に戻す、使ったタオルを洗濯機に入れる…それらはすべて「自分のことは自分で」なのです。

もちろん、いきなり「自分でやりなさい」と突き放すのではなく、最初は親がお手本を見せ、手伝い、見守り、励ましながら、少しずつ自分できるようにと子どもを促していきます。

自分のことは自分でする力は、大人になったから身につくものではなく、小さいころからの積み重ねがあってこそ。今現在のわが子が無理なくできることを見つけて、「自分のことは自分でしようね」と応援してあげましょう。

NPO法人 JAMネットワーク代表 高取しづか